利益相反について

利益相反の取扱に関する規定

第1条(目的)

本規定は、一般社団法人日本ペインリハビリテーション学会(以下、「本学会」という)に関する利益相反マネジメントの指針と取扱いを定める。

第2条(COI委員会の設置)

本学会には、役員及び会員に係る利益相反に適切に対処するとともに利益相反に関する重要事項を審議するため、利益相反委員会(以下「COI委員会」という)を置く。

第3条

COI委員会は、次に掲げる事項を審議する。

  1. 利益相反マネジメントの指針に関すること。
  2. 利益相反防止に関する施策及び啓蒙活動に関すること。
  3. 利益相反に関する調査及び審査に関すること。
  4. その他利益相反に関する重要事項。

第4条

COI委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。

  1. COI委員長 1名
  2. COI委員 2名
  3. その他委員長が必要と認める者 若干名

第5条

前条に規定するCOI委員長および委員は理事長が任命する。その任期は2年とし、再任を妨げない。

第6条(COI委員会の開催)

本学会の学術大会開催に際し、1ヶ月前までにCOI委員会を開催し、研究発表者または講師から報告された利益相反について審査を行う。

第7条

本学会の学会誌発刊に際し、学術誌発刊の1ヶ月前までにCOI委員会を開催し、論文発表者から報告された利益相反について審査を行う。

第8条

本学会の役職就任に際し、就任の1ヶ月前までにCOI委員会を開催し、当該者から報告された利益相反について審査を行う。

第9条(利益相反マネジメントの基本的な考え方)

本学会は、役職員等による研究開発の成果の普及および活用の促進に係る事業活動を積極的に推進することとし、その際に発生する利益相反を次のとおり適切に管理するものとする。

  1. 本学会は、会員等による研究の成果の普及および活用の促進に係る事業活動にあたり、その債務が全うされていることを担保し、本学会の社会的信頼を維持・確保する。
  2. 本学会は、会員等個々人の利益相反を適切に管理することにより、より深刻な事態に陥ることを未然に防止する。
  3. 本学会は、会員等個々人と責任および利益を適切に分担し、会員等が安心して研究の成果の普及および活用の促進に係る事業活動に取り組める環境を整備し、より活発な活動および関連領域との連携の推進を図る。

第10条(利益相反の定義)

本学会は、利益相反を以下のように定義し、(1)と(2)を併せて広義の利益相反として、利益相反の対象とする。

  1. 狭義の利益相反:会員等が兼業収入を得ている機関と本学会との間で共同研究を行う際に相手方に有利になるよう取り計らうなど、会員等が本学会以外の組織から得る私的利益と、本学会の利益が対立しうる状態のこと。
  2. 責務相反:会員等が本学会の意に反して本学会以外の者のために業務を行うなど、会員等の本学会以外の組織における職務遂行責任と、本学会における職務遂行責任とが対立しうる状態のこと。

第11条(利益相反の報告と開示)

本学会の学術大会で研究発表・特別講演・教育講演を行う場合は、別に定める(様式1)により、当該研究発表と共に利益相反に関する報告事項を開示しなければならない。
また、報告事項がある場合は(様式2)を事前に学術大会事務局に提出すること。特別講演・教育講演の場合は依頼側が事前に確認を行い、報告がある場合は(様式2)の提出を求める。

第12条

本学会の学会誌に論文発表を行う場合は、別に定める(様式3)により、事前に編集委員会に届け出なければならない。また、論文には利益相反に関する報告事項を記載すること。

第13条

本学会の役職に就任する場合は、別に定める(様式4)により、事前にCOI委員会に届け出なければならない。

第14条(報告対象)

報告対象とする企業等(以下、報告対象企業等という)は、医薬品・医療機器メーカー等医療関係、介護福祉関係企業一般ならびに医療関係研究機関等の企業・組織・団体とし、医学研究等に研究資金を提供する活動もしくは医学・医療ならびにこれらの評価等に関わる活動をしている法人・団体等とする。

第15条(報告事項)

利益相反の報告事項は以下の1~13とし、その回答を報告・開示すること。

  1. 企業の職員,顧問職
    報告対象企業等の団体の職員、顧問職について報告すること。
  2. 給与・報酬等(100万円以上)
    前年1年間において、自己又は自己と生計を一にする親族のいずれかが、報告対象企業等から、給与・報酬、継続的な収入として年間100万円以上の支払の有無について報告すること。
  3. 特許権使用料(100万円以上)
    前年1年間において、自己又は自己と生計を一にする親族のいずれかが、報告対象企業等から、企業・組織や団体と共に研究を行っている際に発生した特許権使用料について、1つあたり年間100万円以上の権利使用料を得ている場合は報告すること。
  4. 講演料等(50万円以上)
    前年 1 年間において、自己又は自己と生計を一にする親族のいずれかが、報告対象企業等から、講演料など(会議の出席・発表等に対し、本人を拘束した時間・労力に対して支払われた日当、旅費を含む)一時的な収入として、年間 50 万円以上の講演料等の支払を受けている場合は報告すること。
  5. 原稿料等(50万円以上)
    前年1年間において、自己又は自己と生計を一にする親族のいずれかが、報告対象企業等から、パンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料等一時的な収入として年間50万円以上の原稿料の支払を受けている場合は報告すること。
  6. 顧問料(50万円以上)
    前年1年間において、自己又は自己と生計を一にする親族のいずれかが、報告対象企業等から、専門的な証言・鑑定・助言・評価・コメント等に対し、1団体あたり合計して100万円以上の報酬(講演料、原稿料等を除く、いわゆる顧問料など)を得ている場合は報告すること。
  7. 委託・受託研究費(200万円以上)
    前年1年間ならびに現在の時点において、自己又は自己と生計を一にする親族のいずれかが、報告対象企業等から、研究責任者となっている委託・受託研究に対し、合計して200万円以上の委託・受託研究費等を提供されている場合は、報告対象企業等の名称・分類、研究名称、研究期間、支払い予定時期を報告すること(開示期間内に研究を継続している場合は、支払い予定時期に関わらず報告する)。
    ※委託・受託研究とは、治験研究等企業との契約によって受託している研究を指す。
    ※研究委託契約が所属機関との間で締結されている場合には、研究費の金額は所属機関に支払われる金額とする。
  8. 研究助成金(寄付金)等(100万円以上)
    前年1年間ならびに現在の時点において、自己又は自己と生計を一にする親族のいずれかに対し、報告対象企業等から、1つの企業・組織や団体から申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野)あるいは研究室の代表者に支払われた総額が年間100万円以上である場合は、当該研究助成金を提供している報告対象企業等の名称・分類,研究名称、研究期間、支払い予定時期を報告すること(開示期間内に研究を継続している場合は、支払い予定時期に関わらず報告する)。
    ※研究助成金とは、大学等が企業からの寄附として受けるものを指す。
  9. 奨学(奨励)寄付金等(100万円以上)
    前年1年間ならびに現在の時点において、自己または自己と生計を一にする親族のいずれかが、報告対象企業・組織・団体等が提供する奨学(奨励)寄付金を得ており、1つの企業・組織や団体から、申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野)あるいは研究室の代表者に総額が年間100万円以上支払われている場合は報告すること。
  10. 寄付講座等(500万円以上)
    前年1年間ならびに現在の時点において、報告対象企業・組織・団体等が提供する寄付講座等に申告者が所属している場合、1つの企業・組織や団体から、申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野)あるいは研究室の代表者に500万円以上支払われている場合は報告すること。
  11. 株式等
    前年1年間において、自己又は自己と生計を一にする親族のいずれかが、報告対象企業等の代表者・役員・業務執行者となっている場合、または、株式・出資金その他により報告対象企業等からの利益が100万円以上である場合、報告対象企業等の当該全株式の5%以上の持分を有している場合は、報告対象企業等の名称を報告すること。但し、守秘義務契約によって開示できないか開示の範囲が限定される場合には、その旨を示して守秘義務に抵触しない限度で開示する。また、上記金額は、時価があるものはそれにより、ない場合には額面金額とする。
  12. 旅行、贈答品(5万円以上)
    前年1年間において、自己又は自己と生計を一にする親族のいずれかが、報告対象企業・組織・団体等から研究とは無関係な旅行、贈答品などの提供を受けており、1つの企業・組織や団体から年間総額5万円以上支払われている場合は報告すること。
  13. 自由診療
    前年1年間において、自己又は自己と生計を一にする親族のいずれかが、保険外診療(自由診療)を行っている場合は報告すること。

第16条(利益相反の審査報告と対応)

COI委員会は、提出された報告事項を検討した結果、利益相反を生ずる疑いがあるときは、理事長に報告を行う。理事長は当該委員長と協議の上、対応する。本学会での研究発表、講演、論文発表、役員立候補の撤回については、COI委員長は文書でその理由を明示しなければならない。

第17条

当該撤回に不服のあるときは、撤回の通知を受けてから1 ヵ月以内にCOI委員会へ申し出ることにより、再審査を請求することができる。その際には、委員長が文書で示した撤回の理由に対する具体的な反論・反対意見、異議理由の根拠となる関連情報を文書で示し、COI委員会に提出すること。但し、その情報は異議が認められた場合には利益相反情報として取り扱われるものとする。

第18条(本規定の変更)

本規定は、理事会の議決を経て、理事長がこれを定める。

附則

第1条(施行期日)

本規定は、平成29 年4 月1 日に制定し、同日から施行する。

利益相反に関する書類

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